クリスマスが近づくと観たくなるドラマ「Nのために」。
日本のドラマで1番ハマった大好きな作品です。
島での救いようのない現実の中で生まれた2人の絆。
どん底から這い上がろうとする希美のひたむきな姿や、成瀬くんの優しさ、上京後の野ばら荘での楽しい時間。
美しい景観とドラマを盛り上げた家入レオの切ない名曲!
映像・キャスト・主題歌すべてがベストマッチで、過去と現在を行き来しながら事件の真相に迫っていく見せ方が良かったです。
放送当時はハマりまくって、リアルタイムで見終わった直後に録画を見返していました。笑
そんな「Nのために」大ファンの主婦が、見どころとともに感想を書いていきます。
原作も読みましたが、ドラマのほうが好みだった(評判もいい)ので、ドラマに絞った感想になります。
「Nのために」は、湊かなえの推理小説です。
2014年10月期に、TBS系でテレビドラマ化されました。
\Nのために全話視聴可能/
これ以降はネタバレ満載なのでご注意ください。
Contents
目を疑う驚愕の展開と2人の愛
主人公の希美の人生は悲劇の連続でした。
キラキラ輝く瀬戸内海に成瀬くんが飛び込む爽やかなシーンで始まる島編。
と思いきや‥初っ端からぶっ飛んだ展開で衝撃を受けました。
実家の救いようのない毒親っぷりに唖然とし、ハラハラさせられ、胸が苦しくなります。
父親と愛人には腹が立つを通りこして軽蔑しかないし、母親の闇み方も怖くて、希美と弟が不憫で仕方ありませんでした。(母親も立場的には可哀想なのだけど‥)
希美が上を向いて
「下を見ない」
「上を見る、上を見る」
と涙をこぼすシーンには、ぐっときて一緒に涙していました。
でもそんな中で希美と成瀬くんが野望を語り合ったり、朝日を一緒に見たり、島から抜け出して上を目指して生きようと励まし合う健気な姿には温かい気持ちにもなりました。
成瀬くんからもらった、乗船券の「ガンバレ N」
事件をきっかけに成瀬くんから身を引いていた希美が防波堤を走り、成瀬くんの乗った船を追いかけるシーンは必見で、主題歌の入りが完璧でした。
というか、毎回曲のタイミングが絶妙(´;ω;`)
一層感情が高ぶります。
東京に行ってからも、乗船券をずっと大切に持っていた希美。
どんなに苦しくても気丈に振る舞っていたけど、成瀬くんだけには何度も助けを求めて、いつも心の支えにしていました。
同じように成瀬くんにとっても希美の存在が救いで、2人で支え合っていましたね。
シャーペンをカチカチする回数で思いを伝えるシーンは、爽やかできゅんきゅんしてました✨
そんな2人に起こったある事件について‥。
さざなみ放火事件と罪の共有
ドラマのキーワードとして、究極の愛は「罪の共有」という希美の言葉がありました。
すべては料亭さざなみの放火事件からはじまり、大切な人を守るために罪を共有したことで物語は進展していきます。
火事ですべてが燃えてなくなっていく様子を、2人手を繋いで眺めていたシーンも必見。後にリンクするシーンです。
「全部燃やしてしまえば誰にもとられんもんな」
「大切な場所、自分だけのものにできるもんな」
「俺に何ができる?」「助けるけん」
成瀬くんが希美に手を伸ばせず、もどかしさを滲ませて必死で訴えかけるシーンには胸が締め付けられました。
野ばら荘での時間。成瀬と対極の安藤の存在について。
東京に進学し、自分を縛るものから解放された希美が、野ばら荘で安藤と西崎さんと伸び伸びと過ごす光景は微笑ましかったです。
島では成瀬くんとの爽やかな純愛シーンが癒しだったけど、東京では安藤との恋模様も気になってドキドキ。
島で成瀬くんに心奪われたわたしは最後まで成瀬くん派だったのだけど、安藤の明るく上昇志向なところも魅力的!
希美の手を取ってグイグイ引っ張っていく場面が多かった(大学サークル勧誘、N作戦で沖縄、初詣など)ことは、成瀬くんと対照的な性格を表しているなあと印象に残りました。
希美にとって成瀬くんは弱みを見せられる頼りたい存在で、安藤は明るくて今まで見たことのないような上の場所を見せてくれる存在。
優しい月と明るい太陽みたいな対極な2人だなあと思えました。
どちらも、希美にとってなくてはならない存在でしたね。
最終回:スカイローズガーデン事件の真相と希美が成瀬を選んだ結末の感想
クリスマスイブの悲劇
「その人のためなら自分を犠牲にしても構わない」
「どんな嘘でもつける」
「そのとき、大切な人のことだけを考えた」
「大切な人が一番傷つかない方法を考えた」
窮地に立つと、人の本心や本性が現れるなあと人間味のある各々の言動にハラハラしつつも、とても共感できました。
そして歯車が狂ったのです。
安藤は希美の気持ちを確かめようと、まさかあんな結末になるとは思いもせず衝動的に引き金を引きました。
でも希美が助けを求めたのは成瀬くんでしたね。
すごく切ないシーンで、安藤が現場にかけつけたときの動揺にぐさっときました。
成瀬くん派とはいえ、あんな形で希美と成瀬くんが隣にいる姿を安藤が目の当たりにするのは切なかった。
だけど事件当日、希美が西崎さんとの作戦を破ってでも守りたかった「1番大切な人のことだけを考えた」という相手は紛れもなく、安藤。
余生を共にしようと選んだのは成瀬くんだったけど、わたし的にはあの頃希美は安藤に惹かれていたと思うし、事件や病気がなければ安藤と結ばれていたかもしれないと思いました。
そこは幅の効く見せ方で、うまく視聴者の想像に委ねられていましたよね。
実際、野口から安藤の僻地行きの件で、希美は「安藤に付いてきてと言われれば付いていきます」と言っていたし、
安藤のことは最初から最後まで、守りたい存在だったように思えます。
「病気になったから成瀬くんを選んだ」という言い回しではニュアンスがちがうけど、希美が苦しいときに守ってほしいのは最初から最後まで成瀬くんで、弱みを見せられる唯一の存在だったという風に受け止めました。
「安藤にはだれにも邪魔されずに行きたい場所へ行って欲しい」
最後希美が電話で安藤に伝えた言葉に、すべての安藤への想いが詰まっていました。
N作戦2や事件に安藤は巻き込みたくなかった
病気になっても安藤には知られたくなかった
事件の真相を知れば、安藤はまっすぐ正しい道を選ぶ
希美が病気になったことを知れば、今ある生活を手放しても何だってしてくれる
希美には安藤の性格が良くわかっていて、自分が足を引っ張ることだけはしたくなかった
真っ当な人生を生きてきて、これからも上に登っていくであろう安藤の未来を守りたい
そんな想いがひしひしと伝わってきて、それも一種の愛だと思いました。
「君の人生は正しくて美しいな」
という安藤に向けられた西崎さんの台詞も印象的です。
「安藤への気持ちは友情で恋愛感情じゃない」という意見も多いけど、わたしは希美は安藤に友情以上のものを感じていた気がしました。
そして、安藤が鍵をかけたことを隠して、黙って身を引いたのは、希美の考える「究極の愛」を示した行為だとも捉えられます。
最終的に、西崎さんが安藤には隠して成瀬くんに希美の病気を伝えたのも見どころでしたね。
「いまにも崩れ落ちそうな吊り橋の向こうで杉下が助けを求めたらどうするか?」
という問いに対する2人の返答と希美の窮地の行動をみて、西崎さんも最期の希美には成瀬くんが必要と判断しました。
物語の途中では、西崎さんは「杉下に必要なのは明るいところへ連れて行ってくれる人だ」と言っていましたが、その時々の希美の状況や思いを俯瞰的に理解して、希美の幸せを願ってくれた人でした。
個人的には大満足の最終回でした。
希美が愛していたのは成瀬か安藤どっち?
同じようなことを何度も言うようですが、希美は成瀬くんのことも安藤のことも愛していたと思います。
でも愛にも種類があって、希美が考える「究極の愛」で結ばれたのは成瀬くんだったとわたしは受け止めました。
希美は安藤を守るために罪を引き受けて黙って身を引いたけど、絶対にその想いは共有はできません。
安藤の「そんなのは愛じゃない」「自己満足だ」という言葉で、成瀬くんとのちがいを明確に感じて、すべてを納得できた気分になりました。
もちろん、希美はそういう安藤の性格も理解していたと思います。
言葉の1つ1つが意味をもって繋がっていて、成瀬くんと安藤2人の魅力が感じられる本当に面白いドラマです。
成瀬くんの事件当日の言動は、過去の事件ともリンクしていましたね。
何も聞かずに手を握り、すべてを受け止め、罪を共有してくれた。
病気を知ったあとの
「ただ一緒におらん?」
「杉下の人生や、杉下の思うように生きたらいい」
という言葉も、成瀬くんらしかったです。
帰る場所は成瀬くんだった。
もう上に行けない希美の運命には、成瀬くんの愛が必要なのだと思いました。
究極の愛が罪の共有なんて「おかしい」とわたしも安藤のように思うのですが、すべて見終わって、どのような道を選ぶのが良かったのかじっくり考えてみると、愛する人のための嘘や罪は時に美しく優しいものだと思えました。
西崎と野口夫妻の歪んだ愛
事件の展開や希美たちの恋の行方で視聴者が盛り上がりましたが、西崎さんの歪んだ愛にも胸が締め付けられてボロボロ泣けました。
母親から受けた虐待と愛情。
愛情なんて微塵も思えないし、西崎さんも愛がないことは本当はわかっていたけど気づかないふりをした。
そして奈央子との出会い。
互いに痛めつけられた傷を舐め合い、助けを求め合っていたのに‥衝撃の結末でしたね。
よくよく考えたら、まさにDV被害者の思考だと思えましたが‥
奈緒子も歪んだ愛情で、野口を自分だけのものにするために一緒に死にました。
辛い結末だったのに、奈央子をかばい守り、自分の信じた愛を貫いた。
歪んだ愛から解放されるために、罪を被って償う道を選んだ西崎さんを思うと苦しかったです。
感情をもたない鳥になった西崎さんが、父親と話すシーンやおじいちゃんに「3人は良い友達だったんだね」と言われたシーンで、最後少しだけ救われた気持ちになりました。
希美に愛をくれた人たち
成瀬くん、安藤、西崎さん、野ばら荘のおじいちゃん、お母さん、駐在さん、弟
この物語は登場人物が多くないのも良かったです。
希美にとって大切な人は明確で、最後にその人たちを思い返しながら、成瀬くんの元に帰るシーンにはじんときました。
前述しましたが、成瀬くんの、
「ただ一緒におらん?」
「待っとるよ」
という言葉は何度見てもきゅんときます。笑
これで成瀬くんにやられた人続出していましたよね!!!
「愛する人より長く生きて見守れ」
おばあちゃんの遺言の伏線の回収もすばらしかった!
登場人物のキャラが立っていたし人間関係の絶妙なバランスが作り上げたストーリーで、運命というものが腑に落ちるドラマでした。
成瀬くん派にとっては、原作より色濃く結びを描いてくれたドラマは満足いくものでしたが、安藤派の中には、うわーんと叫びたくなる方もいたようです。
でも、希美の安藤への愛情も感じられたし、成瀬くんと安藤が対面して互いの存在を認め合えたシーンもあり、清々しくまとめてあるなあと思いました。
登場人物の多くが優しくて人間味に溢れて魅力的でしたよね。
トラウマで会いたくないほどだった母親も自立して、最後に希美がすがることができたシーンは涙腺崩壊しました。
ヘビーな内容の中にもあたたかみがあり、何度も見返したくなるドラマです。
「Nのために」を観るならAmazonプライムビデオかHuluがおすすめ
「Nのために」はAmazonプライムビデオ・Hulu・auビデオパスで視聴可能です。
Youtubeは画質が荒いし主題歌が別のものが使われているなど、まったく印象が変わって快適に見られないのでおすすめしません。(しかも違法)
「Nのために」は映像が美しい作品なので、DVDを借りるか、AmazonプライムやHuluなど動画配信サービスで鑑賞するのがいいです。
わたしはAmazonプライムビデオもHuluも利用していて月額料金がかかっていますが、どちらも満足のいくサービスです。
テレビだけでなく、PC・スマホなどを利用し外出先でも視聴可能なので元が取りやすいですよ。
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Huluについて
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もちろん入会後2週間以内に解約すれば料金は発生しませんから、実質無料で観ることも可能です。
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わたしは最近もHuluでNのためにを全話一気に見返しました。
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DVD・Blu-rayも発売されています。
※本ページの情報は2018年12月時点のものです。配信または見放題が終了している可能性がありますので、最新の配信状況はAmazonプライムビデオやHuluにてご確認ください。