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ギリシャ神話の全知全能の神であるゼウスですが、そのゼウスに勝る神はいるのでしょうか。
ゼウスよりも強い神っているの?
ゼウスより強い神ってどんな神なの?
この記事では、ゼウスより上の神、ゼウスに勝る神についてまとめました。
ゼウスより上の神はだれ?
ゼウスより上の神は誰でしょうか。
ギリシャ神話の最高神はゼウスですので順当に考えれば、ゼウスがトップの神です。
しかし、ゼウスが世界の覇権を握る前から神はたくさん存在していて、中でもゼウスが一目を置く存在やゼウスでさえも抗えない神もいます。
以下、ゼウスも逆らえない神を紹介します。
母なる神・ガイア
奈落の神・タルタロス
夜の女神・ニュクス
ガイアは、カオス(混沌)から生まれた原初神であり地母神で、大地の象徴と言われます。
ただし、ガイアは天も内包した世界そのもので、文字通りの大地とは違う存在です。
多くの神々と人類はガイアの血を引いており、母なる女神としてギリシア各地で篤く崇拝されました。
未来を予言する能力を持つ女神であり、デルポイの神託所はアポロンの手に渡る前に元々ガイアのものでした。
さらに、地上のあらゆる事がその上で行われることから、誓言の神でもあります。
ガイアに誓った事柄は、ゼウスでも覆すことはできません。
ゼウスにとっては祖母にあたります。
タルタロスは、ガイアと同じく原初神の1柱であり、「奈落」そのものとも言われています。
「奈落」は、霧がたちこめ神々ですら忌み嫌う澱んだ空間で、冥界の最奥にあることから牢獄として扱われました。
ポセイドンが青銅の門を作り、その周りは青銅の壁で覆われているため、何者であろうとも逃げることはできません。
仮に人間がこの門の中に入ったら、一年がかりでも底にたどり着けず、かえって神々が怖れるほどの強烈な暴風で吹き飛ばされてしまいます。
また、タルタロスにはヘカトンケイルやキュクロプスといった巨人族やティタン一族を幽閉、最強最大の怪物テュポーンが落とされるなど、強大な力を持った巨人や怪物、神々ですらその力を封じ込められてしまう力があります。
ニュクスも同じく原初神の1柱で、夜を神格化した女神です。
ホメロスによれば、ニュクスはゼウスにさえ恐れられ尊ばれている女神であると言われています。
絶対の調停者で、彼女が休戦を宣言すると神も巨人も怪物も争いを止めなければなりません。
古代ギリシャにおいて、夜は休戦と言うのは常識だったので、夜を司るニュクスの調停は全てを従わせる力があります。
また、ヘシオドスによれば、ニュクスは単独で多数の神々を生んだとされます。
ニュクスの子には、モロス(死の定業)、死の運命であるケール(死の運命)、またタナトス(死)、ヒュプノス(眠り)、オネイロス(夢)の一族、更に、モーモス(非難)とオイジュス(苦悩)がいます。
さらに、ネメシス(義による復讐)、アパテー(欺瞞)、ピロテース(愛欲)、ゲーラス(老年)、そして人間の苦しみの大きな原因とも言える「争い」の女神エリスもニュクスの子です。
エリスからは戦争や殺戮、人間の為す悪しきことごとの擬人化・神格化した神々が生まれています。
ゼウスに勝る神を考察
次に、ゼウスに勝る神について考察します。
結婚の神・ヘラ
運命の女神・モイライ
結婚の神ヘラは、ゼウスの正妻で最高位の女神、「神々の女王」と呼ばれています。
威厳のある天界の女王として絶大な権力を握り、権威を象徴する王冠と王笏を持っています。
ゼウスはヘラが怖くて浮気を繰り返した、と言っても過言ではないほど、ゼウスはこそこそと浮気をします。
そして、どんなに浮気を繰り返して、どんなに怒られてもゼウスは必ずヘラのもとに戻り、ヘラとは離婚しません。
ヘラは、毎年春になるとナウプリアのカナートスの聖なる泉で沐浴して苛立ちを全て洗い流し、処女性を取り戻し、天界で最も美しくなります。
この時期にはゼウスも他の女に目もくれずにヘラと愛し合います。
運命の女神モイライは複数形で、運命の三女神クロートー、ラケシス、アトロポスのことです。
ヘシオドスは、『神統記』の最初の方ではモイライをニュクスの娘とし、後半では2番目に妻となったテミスとのあいだに、季節の女神をもうけたのち、それに続いて運命の三女神をもうけたとしています。
この女神たちは人間の運命を割り当て、紡ぎ、断ち切る女神ですが、ギガントマキアやテュポンとの戦いにも参戦しています。
とくにテュポンとの戦いでは、テュポンに脅され、どんな望みも叶う「勝利の果実」を渡しますが、これは実は嘘で、実際は決しての望みが叶うことがない「無常の果実」を渡しており、これを食べた瞬間、テュポンは力を失ってしまったのです。
テュポンといえば、一時ゼウスを倒して幽閉したほどの怪物です。
その怪物の力を奪ってしまうアイテムを持っているほどモイライは強い神です。
またモイライはゼウスの権威に従っており、ゼウスは彼女達に物事の自然の秩序が尊重されるべく計らうよう命じたとされていますが、トロイア戦争の物語においてはゼウスがモイライの決定に逆らえないことが示唆されています。
ゼウスは時に運命を支配しているようで、時に運命の決定に従っているようにも描写されています。
ギリシャ神話のゼウスの栄光や特徴
そして、ゼウスの栄光や特徴についてまとめます。
ゼウスはギリシア全域で信仰され、ゼウス信仰が行われていました。
当時、至上最高の原理として仰がれ、古代ギリシア人たちは一神教に近い帰依と敬虔さをゼウスに捧げ、明らかに他の神々とは一線を画していました。
ゼウスは運命すらも超越し、全知全能神に相応しい威厳を放っていました。
ゼウスの主な神域はオリュンピアで、そこで4年に1度開催される古代オリンピックは、ゼウスを讃える全ギリシア的な大祭でした。
この開催期間中は、ギリシア人は全員戦争を止め、古代オリンピックに参加するためにオリュンピアに集いました。
このオリュンピアに向かう道中は、ゼウスによって守護されると考えられていました。
不正を決して行わないという宣誓をゼウス・ホルキオス(誓いのゼウス)に捧げ、選手たちは各種目に分かれて競い合いました。
古代オリンピックで優勝した者は、神々から寵愛されている者、もしくは神々の血を引く者とされ、祖国では大いに賞賛されました。
今は廃墟となっていますが、当時はオリュンピアにあるゼウス神殿内部には12mを超える黄金と象牙で出来た巨大なゼウス像が聳え立っていたといわれています。
また、マケドニア王国にあるゼウスの神域・ディオンでも、オリュンピア祭が開催されていました。
主催者はヘラクレスの血筋を持つとされたマケドニア王家であり、これはオリュンピアの古代オリンピックに次ぐほどの盛況でした。
そして、アテネにはゼウスに捧げるための巨大な神殿が、ローマ帝国のハドリアヌス治下で建造されました。
これは、オリュンピア=ゼウス神殿と呼ばれ、古代世界で最大の神殿でした。
ほかにも、ギリシャから遠く離れた地のアフガニスタンには「ゼウスの足先」と呼ばれるゼウス神像の左足断片が見つかっています。
ゼウス信仰は、マケドニア王国のアレクサンドロス大王の遠征によって、東にも広まりました。
大王に持ち込まれたギリシャ文化と古代オリエントの文化が融合したヘレニズム文化が生まれ、そのなかで、ギリシャ神話の一部も土着の信仰と融合し、その際ゼウスも信仰の対象になりました。
このようにゼウスはギリシャに限らず、古代において世界的に受け入れ、信仰された神でもあります。
ギリシャ神話のゼウスの死因
最後にゼウスの死について触れます。
ギリシャ神話では、神は不老不死のためゼウスの死についてはもちろん、ほかの神の死についても描かれていません。
ギリシャ神話において神が不死になった理由は、神はアムブロシアと呼ばれる神々の食べ物を食べているからです。
アムブロシアは、古代ギリシャ語で「不死」を意味し、神々の食べ物であると同時に不死の効力を持つと言われています。
アキレウスはアムブロシアを軟膏として用い、塗り残されたアキレス腱部分を除いて不死身の肉体を手に入れたといわれています。
また、ネクタルと呼ばれる飲み物も飲んでいます。
ネクタルは、蜜の酒で、特殊な植物の蒸留酒、香りよく、味わい絶妙、アンブロシアと同様これを飲むものは不死と永遠の若さを約束されました。
では、そもそもなぜギリシャ神話では神々は不老不死なのでしょうか。
その理由について紹介します。
実は、元来人間も不老不死でした。
人間は、ティタン族の一柱であるプロメテウスが自分に似せて土と水で作ったものでした。
あるとき、ゼウスが人間と神を区別しようと考えた際、プロメテウスはその役割を自分に任せて欲しいと懇願しました。
彼は大きな牛を殺して二つに分け、一方は肉と内臓を食べられない皮で包み、もう一方は骨の周りに脂身を巻きつけて美味しそうに見せました。
そして、ゼウスを呼ぶと、どちらかを神々の取り分として選ぶよう求めました。
実は、プロメテウスはゼウスが美味しそうに見える脂身に巻かれた骨を選び、人間の取り分が美味しくて栄養のある肉や内臓になるように計画していたのです。
ゼウスは騙されて脂身に包まれた骨を選んでしまいます。
それに怒ったゼウスが、肉や内臓がすぐに腐ってしまうように、人間も死んで腐ってなくなってしまう運命を持つようにしました。
まとめ
この記事では、ゼウスより上の神、ゼウスに勝る神について紹介しました。
ゼウスもやっぱりおばあちゃんや奥さんには頭が上がらないんだね~
古代の人々のゼウスに対する信仰はすごく篤かったんだね
ゼウスは全知全能の神と言えども、運命には逆らえないこともありますが、最高神として古代ギリシャの人々に篤く信仰されていました。
また、ギリシャのみならず、古代世界においてさまざまな地域で信仰されていたので、もしかしたら意外と身近にゼウスを感じることもあるかもしれんせんね。